「白、黒、グレーなどはピンクを引き立ててくれる色だ。黒いバックにピンク色の薔薇を浮かべてみると、なかなか粋(いき)に仕上がる。色っぽさ、艶(つや)っぽさが写真に漂い出す。」(1994年)

昨年の本シリーズでご紹介したように、秋山庄太郎はさまざまな種類の背景ボードを自作して、花撮影に用いていました。なかでも、光沢のない黒いビロード布を張った背景ボードは、被写体を引き立てる色として、人物撮影にも花撮影にも愛用しました。そのほかにも白バックや、花と同系色の背景など、色の組み合わせやグラデーションにも気を配りながら臨機応変に使い分けています。
屋外での花撮影でも、色の構成は重要な要素になります。ファインダーをのぞいたとき、花と周囲の色の取り合わせにも意識を向けてみましょう。(文・秋山庄太郎写真芸術館)



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