花を撮影する秋山庄太郎(2002年)


秋山庄太郎は1992年、雑誌『暮しの手帖』に初心者向けの花写真講座の記事を執筆し、その末尾を次のように結んでいます。

「いろんな角度、いろんな光線で、たくさん撮ることです。たくさん撮れば当たります。当たれば自信がつきます。自信がつくと、出来のよしあしがわかるようになるし、さらにいい写真を撮りたいということになります。いろんな花とつきあううちに花のいろんなことがわかります。美しい花に感動し、さらに感動する花の写真を、ぜひ撮って下さい。」(1992年)

たくさん撮ること。これが、花写真をより深くたのしむ秘訣ということになるでしょう。もっとも秋山は、講演会などでしばしば「オートフォーカスで、ピントがあったらすぐ撮ってしまうようだと、無駄撮りが過ぎて下手になります。被写体としっかり向き合わないと」とも言っています。

「軽挙妄動して乱写濫作の限りを尽くすことが、人生劇場最終舞台を華やかに彩ることだと考えている」(1990年)。皆さんも、花写真で人生をよりたのしんでください。(文・秋山庄太郎写真芸術館)